2012年08月23日

メルマガ 2012.07.26号

道路に陽炎(かげろう)が出来るほど暑い日が続いています。
その不安定な空気の揺らめきを命のはかなさに例えた「かげろう」は、古来より日本に生息する昆虫です。
種類は色々あれど、異なる生息環境を好み、同じ川の中で数種が共存することから、「棲み分け」という言葉の語源にもなっています。
さて、「かげろう」には出来ても、人間には出来ない「棲み分け」が問題になっています。
「野村證券インサイダー取引問題」
最近、最大手の野村證券をはじめとする大手証券会社のインサイダー取引問題が取りざたされています。
そこで、今日はインサイダー取引について解説します。
インサイダー取引について知るには、まず証券会社の役割について知る必要があります。
証券会社とは、すっごく分かりやすくいうと、(厳密にはそれだけではありませんが)株を発行したい会社や株を売り買いしたい会社のお手伝いをしたり、アドバイスをしたりする会社ということです。
ですから大きく役割を分けると、株を発行したい会社にアドバイスをする「投資銀行部門」と株を売り買いしたい会社にアドバイスをする「営業部門」の2つの部門があります。
ここで、「株を新たに発行した会社の株価は下がる」という法則を使うと不正に儲けることが出来ます。
具体的には、投資銀行部門の顧客のA社に、新たに株を発行するようにアドバイスをします。そして、その裏では営業部門の顧客であるB社にA社の株を「空売り」するようにアドバイスをします。
空売りについて、身近な例で例えてみます。
例えば、友達から発売直後の漫画を借ります。それを即座に古本屋で売ります。発売直後なので、定価に近い400円で売れたとしましょう。それを半年後、安くなってきた頃に、古本屋で100円で買い、友達に漫画を返します。そうすると、300円の儲けになるでしょ?
これの「株」版と思ってくれたらいいです。値が下がることが分かっていれば、絶対に儲かりますよね。
A社の株が新たに発行されることを知っていれば、A社の株価が下がることも分かるので、B社は絶対に設けられるという仕組みです。
これを「増資インサイダー」といいます。
証券会社にしてみたら、両者に顔が立つ、すごく都合のいい商売ですよね。でもこんなことをしたら、他の投資家達は正直者が馬鹿を見て、損をすることになります。ですから、このように株の発行などに関する情報を事前に流すことは禁止されています。
これは、証券会社も例外ではなく、投資銀行部門と営業部門が1つの同じビルの中に入っている場合でも、あたかも違う会社のように、片方の部門の情報がもう片方の部門に流れないように厳重に管理されています。
ですが、この厳重な管理を超えて、不正な取引が増えてきていることが、日本の証券業界全体の信用不安に繋がっているということですね。

posted by IKJ at 20:43| メルマガバックナンバー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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